ICL(眼内コンタクトレンズ)手術を受けたので体験記【なぜレーシック ではなくICLにしたのか編】

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こんにちは

藪から棒ですが,先日近視矯正手術である,ICL(眼内コンタクト)手術を受けて,視力を回復させてきました

ICL手術を受けることなんて人生通して一回きりの経験になると思います(なってほしい).

ということで,体験記として残しておこうかと思い,この記事を書いています.

また,自分が手術を検討するにあたっても,ネット上の様々なブログや記事の体験記を読み回ったので,こういった体験記を残しておくことは,今後手術を検討される方の参考にもなるのではないかと思います.

ちなみに,僕はICLとレーシックどちらにするか最初から決めていたわけではなく,散々迷った結果,ICL手術を受けることになりました.

結論に至った経緯についても書いていますが,これはあくまで”私の場合”の話です.

私は医学の専門知識を持たない,一般人です.

もしこの記事をお読みで視力回復手術を検討している方は,私の情報を鵜呑みにせず,自ら情報を集めて,聞いて,決めていただくべきかと思います.

そして,近視矯正手術は自由診療の手術です.

手術費用は高額ですし,健全な目をいじるため,それなりにリスクもあります.

ノリでうけるようなものではないので,よくよく考えて受けるか決めましょう.

なお,この記事は3編に渡っています.

「なぜICLにしたのかについて」は本記事で,

「事前検査の流れについて」はこちらの記事

「手術当日・術後感想」はこちらの記事

で書いております.

ぜひ最後まで見ていただけると幸いです. 

これまでの私

私は小学生5年生くらいのときから,眼鏡生活をしてきました.

それから高校生にかけて,少しずつ近視が進行し,その度に眼鏡を作り替える生活を続けてきました.

そして,大学生になると趣味としてロードバイクに乗り始めたこともあり,コンタクトレンズをつけるようになりました.

コンタクトレンズを初めてつけたときは感動したものです.

眼鏡のように視界にフレームが映り込むこともないし,景色が綺麗に見えます.

また,友人や家族曰く,見た目的にも,眼鏡よりコンタクトの方が好印象に見えるようでした.

これらの理由から,眼鏡はすっかりつけなくなったわけですが,コンタクトレンズはコンタクトレンズで様々な欠点があります.

それは,維持にかかる費用と手間です.

2weekやハードコンタクトレンズはメンテナンスがだるいし,1dayレンズは毎日つけるには高すぎる.

常に在庫を確認しておき,時間を縫って眼科にいったりしないといけないという手間もあります.

よって,眼鏡もコンタクトもやめたいと常日頃から思っていました.

レーシックやった人が現れた!

そんな中,ついに身近にレーシックをやったという人が現れました

一般人ができるような手術ではないとも思っていましたので,びっくりしたのを覚えています.

思えば,当時はまだ,レーシックについて何も知らず,昔の集団感染事件によって植え付けられた悪い印象しか持っていなかったと思います.

しかし,話を聞くと,今のレーシックは昔からかなり進化していて,失明するようなことはないということ,数十万円で眼鏡コンタクトから解放された快適に生活を送ることができるようになったということ,でしたので,すぐに興味を持ち始めました.

調べてみると,レーシック以外の視力回復の手法として,ICL(眼内コンタクトレンズ)という施術も行われているということもわかりました.

今では,一般人でもこのような視力回復の手術をガンガン受けているのですね.

恥ずかしながら全く知りませんでした.

そして,近視矯正手術が一気に身近になると同時に,眼鏡とコンタクトの縛りから解放されるために,手術を受けたいという気持ちが一気に高まりました.

そういうわけで,実はかれこれ一年弱前からリサーチは続けておりました.

しかし,やはり人生でこれだけの買い物をしたことがないので,ビビって手術を受けるに至っていませんでした.

ついに視力矯正手術を決心した

そんな中,先日ついに手術を受けることを決めました.

理由は以下の三点です.

  • 早く受ければ早く受けるほど価値がある.
  • 結局,眼鏡とコンタクトで維持費はかかり続け,いつか損益分岐点がくる.
  • 来年の春から社会人で時間がなくなる

早く受ければ早く受けるほど価値がある.

早く受ければ早く受けるほど,様々な手間から解放され,機会損失を減らすことができますし,刻一刻と過ぎていく人生の中で,より快適に過ごせる時間が長くなります.

つまり,早く受ければ受けるほど価値があるかと私は思いました.

結局,眼鏡とコンタクトで維持費はかかり続け,いつか損益分岐点がくる.

近視矯正手術は一見高いですが,長い目で見れば,結局眼鏡コンタクトの維持費も結構な額になります.

例えば,1dayコンタクトの維持費を考えてみると

2,500円(1月分)×2(両眼)×12(ヶ月)=60,000円/年

かかる計算です.

50万円の近視矯正手術ならば,9年目で損益分岐点を迎えます.

2weekであれば,損益分岐点は何十年後かになるかと思います.

どうせ同じくらいの額かかるのであれば,裸眼で過ごせた方が良いなと思いました.

来年の春から社会人で時間がなくなる

僕は来年の春から社会人です.

ICLやレーシック を受けるにはそれなりに検査も必要ですし,術後は安静期間も必要です.

したがって,学生から社会人に変わる期間,つまり卒業を控えた春休みならば何にも縛られていないため,またとない好機であると思いました.

ICLかレーシックかどっちがいいのか

さて,意を決して近視矯正手術を受けることにしたわけですが,レーシックを受けるのか,ICLを受けるのかについては非常に迷いました.

そもそも,これらの術式が適用できるのかもわからないので,まずクリニックで適用検査を受けたのですが,結果の場合は両方適用可能ということでした.

調べてみると,レーシックとICLどちらを勧めるのかは,本人の角膜の厚さにもよりますが,大体-6D程度のラインで区別されるようです.

レーシックの場合,近視が強いほど角膜を削る量が多く,ある一定上の近視の場合は角膜が薄くなりすぎてしまうため,適用できなくなるようです.

角膜を削る量が増えるとハローグレアもより顕著になるようです.

したがって,-6D以上の強度近視や乱視の場合は,ICL適用を勧めるらしいです.

僕の場合,右目-5.5Dで左が-5Dなので,絶妙なラインです.

医師からもどちらでもよいと言われたので,より一層迷ってしまいます.

結局,タイトルのとおり,私はICL手術の方を受けることになったわけですが,最終的に迷っていたのは以下の二択です(品川近視クリニックの場合です).

  • アマリス750Z(レーシック)+角膜強靭化: 55万円
  • ICL(片目-5:00未満,-5D以上):50万円

理由の前に,まずレーシックとICLについて,各項目での比較結果をまとめます.

アマリス750Z(レーシック)+角膜強靭化
ICL
視力の安定性ICLに比べると低い(角膜の再生で近視に戻る可能性有)高い(手術と関係なく,近視が進行してしまうことはある)
術後の手間術後検査が翌日・翌週で終わり定期検診を翌日・翌週・翌月・翌年と受け続ける必要がある.
保証永年再手術無料(一回)3年まで無料(以降有料)
副作用ハローグレア・ドライアイハローグレア(レーシックより抑えられていると報告
術後の見え方細かく調整可能レンズの種類によって制約
リスク完全に失明のリスクなし完全に失明のリスク有

ICLを選択した理由

さて,これらの比較をもとに私はICLに決めました.理由は2点あります.

視力を長期間に渡って維持できるか

まず,私が最も重視していた点が,「視力を長期間に渡り維持できるか」ということです.

せっかく高額の手術をして,視力を回復させても,もとに戻ってしまえば,意味がありません.

術後,如何に安定する可能性が高いかと言う点をよく考えました.

レーシックの場合,10年くらい経つと,結構な人が再び近視に戻ってしまうようです

なぜ近視に戻るかというと,角膜を削る量が多いと,身体がそれをもとに戻そうとがんばって,再生してしまうからです.

そのために,「角膜強靭化」というオプションがあります.

このオプションをつけることで,角膜が薄くても,強度を保っているため,再生が起こらず,視力を安定させることができるというわけです.

したがって,レーシックを受けるならば,少なくともこの角膜強靭化はつけた方が良いのかなと私は感じました.

ただ,この角膜強靭化についてはこのようにまとめて結論づけている眼医者様もいらっしゃったので,参考までにリンクを貼っておきます.

一方で,ICLは比較的安定するとの記載が多く見られました.

これは,レーシックとは違い,角膜を削らないため,上述したような再生作用が働かないためです.

ICLの場合,コンタクト や眼鏡の度を変えるときのように,本人の近視が進行しない限り,見えづらくなると言うことがありません.

近視の進行は遅くとも25歳くらいまでには止まるようなので,ここ数年で近視が進んでいないなと言う方であれば,ICL後も比較的視力を維持できる可能性が高いということです.

私もここ5年くらい近視の進行は止まっているので,ICL処置後に近視が大きく進行することをないかなと考えました.

ただ,私が受診した品川近視クリニックの場合,角膜強靭化のオプションをつけると,再手術が一回まで永年無料になるという保証がつくので,仮に将来近視が戻ったとしても再手術が可能です.

見え方の質・副作用など

視力の安定性と並んで重視していたのが,「見え方の質と副作用」です.

副作用1: ドライアイ

レーシックでは,角膜の表面を切って,フラップというふたを作ります.

この際,角膜上の神経も一緒に切ることになります.

この角膜上の神経は,目の渇きなどを感知して,涙の量を調整したりする機能を持っているため,術後角膜神経が修復されるまでの期間(半年〜一年)はドライアイが発生,もしくは元々ドライアイだった人はそれが悪化するという副作用があります.

私が少しドライアイ気味ではありましたので,これを悪化させたくないという気持ちがありました.

この点,ICLは角膜を切る範囲が小さいので,ドライアイの発生,もしくはその悪化が起こらないと言われています.

副作用2: ハロー・グレア

レーシックにしろ,ICLにしろ,夜間や暗いところで光を見たときに,ハローと呼ばれるぼんやりとした光や,光源からシャープに走る光線が見えるグレアと呼ばれる現象が起きます.

レーシック手術でもICL手術でもハロー・グレアの現象は起こります。特に中程度〜強度近視の視力回復手術においては、ICLの手術後のほうがコントラスト感度の低下やハロー・グレアを生じにくいという報告もあります。夜間の視力も安定しています。

ICL(眼内コンタクトレンズ)手術後の見え方について https://senshinkai-clinic.jp/icl/performance/

ICLで使用される眼内コンタクトレンズは、完全矯正領域であるオプティカルゾーンが広く取られており、ハロー・グレアも抑制するように構成されています。術後時間が経たないうちは、夜間で光を見る時にぎらぎらとした感じや眩しさを感じるかもしれませんが、視力が安定してからはハロー・グレア現象が起こる可能性は低いです。ホールICLの穴による屈折現象で光を凝視すると輪っかが見える、という報告もありますが、ほとんど方で感じないのと、時間と共に気にならなくなります。

ICLレンズの特徴|ハロー・グレア現象など見え方に影響はあるのか https://senshinkai-clinic.jp/icl/lens/

これらの現象は個人差があるので,なんともいえませんが,ICLの方が見え方の質が良いと言われているようです.

また,レーシックの場合,角膜を削る量が多いとその分,ハローやグレアは顕著になるようです.

私は-5.5Dの中度近視であり,角膜を削る量がそこそこ多いので,このハロー・グレアが少し心配でした.

もしICL術後でハロー・グレアが気になりすぎて,もとに戻したいと思ったら,レンズをとることで解決しますが,レーシックの場合それはできません.

これらのことを鑑み,ICLを選択しました.

ICLのデメリット

もちろん,ICLのデメリットはあります.

まず,術後の検査の頻度に関してです.

ICLはレンズを眼の中に入れるという仕組み上,定期検査が欠かせません.

せっかく眼鏡コンタクトの手間隙から解放されたいという動機で受けるのに,これではある意味本末転倒です.

この点は,レーシックに軍配があがります.

また,レーシックは角膜上の手術なのに対し,ICLは角膜を切り開く,眼の内部の手術です.

したがって,万が一感染症にかかったとすると,レーシックでは「完全失明のリスクはない」一方で,ICLでは「完全失明のリスクがある」ことになります.

これまでの症例でICLで失明した人はいませんが,このようなリスクがあることは念頭に入れておくべきです.

結局自分が何を望むかだと思う

このように,ICLとレーシックのメリット・デメリットを精査して,自身の生活スタイルや求めるもの,どれだけのリスクを取れるか等を考えて,ICL手術を選択するにいたりました.

私はクリニックのスタッフさん,お医者さん,だけでなく,レーシックを受けた友達,はたまた,Youtubeで発信している眼科医さんの私見まで聞きまくって,最終的に自分で判断しました

もしこの記事をご覧で,近視矯正手術を考えている方がいらっしゃいましたら,一生付き合っていく眼のことですから,真剣に調べて,考えて判断してほしいと思います.